お絵描き研究室:JPEG(実験編)

 ここでは各種グラフィックツールで保存した JPEG 画像について、品質とファイルサイズなどの傾向を比較してみました。JPEG の圧縮は画像サイズや画像の傾向に依存するので、ここで示した例がすべての画像に適用できるとは限りません。あくまで傾向を見る程度の参考にしてください。

1. Painter 4.0.3

 Painter 4 は4段階の品質レベルしか持っておらず、プログレッシブ画像を生成することもできません。圧縮の傾向はファイルサイズ優先に調整してあるようで、ダウンサンプル比は常に 4:1 で生成されます。

Painter4 Sample
3,969byte
(Quality=Good)
品質指定ファイルサイズDS比
Excellent14,1224:1
High6,0134:1
Good3,9694:1
Fair2,7864:1


コメント:
 Painter は品質指定の選択肢が少なく、しかもパラメータ分布が極端です。特に画質を要求する画像は "Excellent"、通常の画像は "High"、プレビューやサムネイルは "Good" または "Fair" と割り切って使うという設計思想なのでしょう。割り切ればそれなりに使えると思いますが、High と Excellent の間にもう一段欲しくなることがよくあります。


2. PhotoShop 4.0.1

 PhotoShop 4 は 0(Low)〜10(Maximum) まで11段階の品質レベルを持っています。圧縮の傾向は画質優先で、ダウンサンプル比は Quality=5 を境目に 4:1 と 1:1 が切り替わります。
 低品質指定時にもファイルサイズがやたら大きいのが目立ちますが、これは PhotoShop が JPEG ヘッダに 4K〜5K バイトのプレビューイメージを埋め込むためです。しかもこれはファイル保存時「Save Thumbnail」指定の影響を受けません。

PhotoShop4 Sample
10,043byte
(Quality=5)
品質指定OptimizeStandardProgressive(*)DS比
1019,04320,15718,8991:1
915,85016,61515,0741:1
813,48314,26713,4131:1
712,08512,60312,0491:1
611,08111,55811,0861:1
510,04310,55510,0771:1
410,09510,54410,1124:1
39,4279,8999,4604:1
28,9879,4479,0494:1
18,6099,0678,6594:1
07,9558,5618,0174:1

* Progressive Scan パラメータは "3" で生成


コメント:
 PhotoShop はセーブフォーマットに Standard, Optimized, Progressive の三種類が指定できますが、Standard はハフマンテーブルの最適化を行わないのでファイルセーブが速い点だけが取り柄です。Optimized または Progressive を使えば同じ画質でファイルサイズが小さくなるので、最終的に WEB ページに貼る画像に Standard は使わない方がいいでしょう。
 PhotoShop が生成する JPEG 画像の高画質は魅力ですが、WEB ページに貼る場合には埋め込みプレビューイメージの容量が無駄となります。幸い、これを削除するためのツールは何種類か発表されているようです。私のページにも拙作 JPEGCOM というフリーソフトをアップしてありますので、興味ある方は試してみてください。


3. Paint Shop Pro 4.14

 Paint Shop Pro は 1〜99 までの細かい品質指定ができ、数字の小さいほうが高画質となります。ダウンサンプル比は 4:1 に固定されているようです。

Paint Shop Pro4 Sample
4,919byte
(Compression=20)
品質指定StandardProgressiveDS比
112,84810,8094:1
106,4355,9854:1
204,9194,6814:1
304,2074,0324:1
403,6943,5244:1
503,3843,2454:1
603,0582,9364:1
702,6832,5734:1
802,2242,1264:1
901,6921,5574:1


コメント:
 生成されるマーカの構成が Painter そっくりなので、同じエンコーダを使っていると思われます。しかしパラメータが細かく指定できるぶん、PSP の方が柔軟な使い方ができます。ダウンサンプル比が常に 4:1 なのが玉に傷ですが、普通は問題ないでしょう。通常画像での圧縮率は 10〜30、サムネールは 30〜50 くらいで使うと丁度いいようです。


4. CzView2

 CzView2 は拙作のフリーソフトですが、JPEG のエンコード・デコード部は Independent JPEG Group(IJG) の JPEGLIB2 に頼っています。画質は 0〜100 で指定し、数値の大きい方が高画質です。

CzView2 Sample
4,140byte
(DS=2:1, Q=70)
品質指定(*)1:1B1:1P2:1B2:1P4:1B4:1P
10016,88016,66113,59013,52611,62711,635
907,1597,1546,4086,4355,9535,985
805,3655,4464,8784,9834,5824,681
704,4874,6454,1404,2783,8924,032
603,8914,0493,5873,7473,3733,524
503,4863,6983,2343,4333,0603,245
403,1053,3332,8803,0992,7282,936
302,6722,9312,4722,7162,3992,573
202,1072,4481,9662,2901,8742,190
101,4501,8321,3581,7261,2991,662

* B=ベースライン、P=プログレッシブの意味


コメント:
 PhotoShop, PSP と違ってプログレッシブエンコード時のファイルサイズが大きくなる傾向があり、これはスキャンごとに個別の DHT セグメントが生成されることと関係があるようです。画質は 70 前後で調整すると丁度いいようです。


5. Microsoft Photo Editor 3.0

 Microsoft Photo Editor は Microsoft Office のオマケに付いてくる画像編集ツールです。保存時に白黒かカラーかの選択ができますが、プログレッシブ画像は生成できません。

MS Photo Editor sample
4,207byte
(Quality=70)
品質指定ファイルサイズDS比
10014,1224:1
906,1874:1
804,9194:1
704,2074:1
603,6944:1
503,3844:1
403,0584:1
302,6834:1
202,2244:1
101,6924:1


コメント:
 圧縮の傾向といい生成されるマーカーといい PSP4 にそっくり…というか全く同じですね(^_^;)。品質指定=100 のときは Painter4 の "Excellent" と同じファイルが生成されますから、この三者はどれも同じエンコーダから派生しているようです。


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